クラリス狂専誌、のこと


熱心なファンとはいえず、宮崎作品は見たり見なかったり。そんな私でもカリオストロは何度となく見ています。
公開当時から、むしろ公開あとにどんどん盛り上がり「傑作」だという
声が上がってきた印象でした。

ルパン的にいいところはきっといっぱいあるけれど、
やはりヒロインのクラリスの上品さと姫なのに短髪という造形の妙にヤラレやったひとが多かった。
当時、ヒロインは長髪だったんですよ、といっても綾波レイを経過してきた21世紀にはピンとこない感じではある。その点は本当に残念至極ではあります。

あまたにあったクラリス同人誌のことを書こうと思ったんですが同人誌でクラリスというとやはり初期の同人誌騒動としてあまりに有名な「クラリスマガジン」騒動を取り上げないわけにはいかないかなあ。


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クラリスで遊んじゃおうという雰囲気でさえぐさじゅん氏が私家版で作った本を見てさまざまなアニメ、マンガファンジン的な同人誌を作っていたAWSCのM氏が印刷をかってでた。
「クラリスマガジン」1(80年6月刊).2号(80年12月刊)はAWSCの同人誌とともに普通に即売会で販売していたが、ほぼ完売したあとのアニメック(アニメック17号1981年4月)で「クラリス狂専誌」として紹介される。
当時アニメックに出入りしていた、いわばスタッフだったM氏のおそらく自作自演であったと思われる。吾妻ひでおの「クラマガ読んでクラリスにはまった」発言も追い風となり再版の気運が高まる。

その後再版のお知らせ、通販をするという告知が月刊OUT(1981年8月号)などに紹介される。
当時ネットもなく、同人誌を扱う書店もほとんど無かった時代、再版希望の封書は文字通り山と届いた。おそらくは個人の手作業で行える量ではなかった。

もちろん、だから送らなくてもいいよねと言う話ではないが。まっても待ってもクラリスマガジンは通販希望者の手元に届かなかった。その間約2年。

この後の話はアニメックを探ればクラマガ騒動に関しての情報を得ることはたやすい。
いったんは発送完了をアナウンス(82/5月)そののちM氏に厳重注意(83/2月)83年10月には「クラリスマガジン苦情に対するお答え」記事。83/12月号にはアニメック編集部自体が動き始める。編集部の数名がM氏のアパートに乗り込み、約5000人の申込者名簿を入手し、大量の見送付宛名記入済み封筒も入手した。印刷費不払いなどの事実関係も掲載。アパート乗り込みがM氏がアニメック編集部に泣きつき配送をお願いしたあとか、前かは調べても解らなかったが、読者的には「編集部がそこまでする?」という印象だった。

ココで意識したいのはアニメックの対応は同人誌コーナーで紹介したサークルの不始末ではなく、出入りスタッフの不始末を何とかしようという姿勢であること。
その後アニメック誌上にM氏は本名住所顔写真も公開される次第となったが、許せないサークルをつるし上げたのではなく信頼が置けないスタッフがかつて仲間であったという編集部の自己批判であるともいえる。大量の郵便為替は一部M氏ではなく他人が持ち去ったという噂もある。ごく小さな即売会でAWSC発行のDrスランプFC誌「アラレんちゃ」と並べられた、クラマガ販売を見たことがある。完売したはずだったがなあと思ったから再版が行われたという情報の前だったと記憶する。通販分を即売会で販売していたというまことしやかな噂にもうなずける次第だが、果たしてM氏だけが悪であったのか。公開処刑となったM氏のその後を語る人間は少ない。


正直言うと通販申し込みをしてもいつまでも発送されない、発送したという連絡が来たが届かない、などの話は当時ものすごく多かった。印刷料不払いも当時は印刷料は販売した後払いが定番であったし、むろん通販分をすでに販売してしまった事は全く同情の余地がなくはあるのだが、クラリスマガジンだけの悪事ではないはずがなぜここまで大きな話になったかというと「悪だ」とアニメックが書いたから、ということに他ならない。

アニメックはクラマガに対しては誠意を見せてくれたがなぜ悪としたか、の正直なところまでは語ってくれていなかったのではないか?誠意とは何か?

いや、すべてを知る必要も無いのかも知れないんだがねーと、蒸し暑い夜に21世紀の我々は古書をひっくり返すのである。
9/8追記

ASWCがクラリスマガジンを再版しつつ送付していなかったまさにその頃に発行されたASWCの同人誌として「びすけっと」がある 。
bisu_01.jpg81年3月刊 bisu_02.jpg81年12月刊 bisu_03.jpg83年3月刊

内容はアニメや漫画の美少女紹介と異様に豪華なゲスト原稿(おそらくはアニメックつながり)で構成されている。
スタッフはM氏こと「ぱぱ」と「芝山るり」。当時の関係者にきいてもM氏と掛け合い漫才対談を行っている「芝山るり」氏の正体は割ることが出来なかった。

ただしこの芝山るり氏、クラリスマガジン2号で「お手紙が届いた」となぜだか8Pにも渡ってただの感想手紙が紹介されている人物でもあるんですよね。それがご縁でビスケットを作るASWCのスタッフになったのか、もとよりやらせだったのか。。。?わたしは「ぱぱ」ことM氏の一人芝居説をトっていたのですがねえ。。。
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