冗談はやめて、まずファンシーモンスタープロダクト。そして白倉由美。

ファンシーモンスタープロダクト(FMP)もまた誰の口の端に上らなくなって30年は経とうかというところ。
F y0
「妖精嗜好」(フェアリータ)「CATTLITA」「○○官能写真集」などの冊子名を覚えている方もいるかも知れない。編集、春河霊名でハイペースで冊子を作っていたサークルである。

執筆者は内山亜紀、谷口敬、堀内満里子五五藤加純などコミックボックスJRや徳間系、劇画系で執筆していたプロ作家を筆頭に、新宿フリースペースの常連を集め作家レベルの高い冊子を展開していた。
すでに書いたAlice編集部と違っているところは、執筆陣にポリシーが感じられないところであろうか。
手当たり次第に声かけしてイラスト一枚、エッセイページ一枚というかんじで読み手としてはスカスカな印象が有るのが特徴だったように思う。

当時春河氏は「○○官能写真集、ていって原稿集めて本作ってもうけて笑うまでが同人誌ですよ」などとなめたことを言っていた。ひどい本も道理なのである。

妖精嗜好の1号表紙は「ロリコン大全集」でデビュー直後の白倉由美。中にも漫画ブリッコに掲載された「夏の妖精」の原型、というかほぼ同じマンガが掲載されている。この号は比較的分厚く、「北欧妖精館、ルフィー」の「裏本」という記述がある。「北欧妖精館 ルフィー」は健全をウリにした妖精マンガ専門同人誌で当初はこの本の対の形で発行されたものだったらしい。ただし6号には「裏本だった事実はありません」と1号編集段階で仲違いがあったことを示唆。結局独立した妖精がかいてあるといいなー的なエロ本になった模様である。

FMPをなぜ掘り起こすかといえばなんと言っても白倉由美の「19才以前」作品がどっさり掲載されているからである。
妖精嗜好1号は表紙、マンガ2本、執筆陣の紹介カットなど。編集にも関わっていたらしく、わいわいとしたトークがそこここにあり、高校生時代の作品をたんと見ることができる。また3号には1年前に発行したという鉛筆少女絵集の再録がある。
F 3 s
CATTLITA(妖精嗜好のさらに裏という設定)には直接描写はないが趣旨にあったようなマンガも掲載。
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美少女誌を超えて「どこか」に行ってしまった作家、白倉由美の根っこを見ることができる数少ない冊子。
それだけでもFMPには感謝しておきたいところだ。

ちなみにかときすなお(カトキハジメ)の初期作品も拝める。白倉由美作「ガラスの砂緒」のすなおは
彼の名前から取っているとのこと。おかっぱで髪も長いから女の子ってことにしちゃう、とは当時の白倉由美の言葉である。

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